日本国際保健医療学会 学生部会



〜2008春・夏 学生フィールド実習活動報告〜


2008春・夏 学生フィールド実習活動報告 企画詳細
ベトナム:保健プロジェクト視察
ホンジュラス:社会調査実習



◆企画詳細◆

 

2008年 春マッチング

エントリー実施期間  : 2007年12月〜2008年1月
実習実施期間  : 2008年2月〜5月
学生エントリー数  : 30名
実習参加学生数  : 10名
実現した実習  : 7件(予定されていた実習は11件)

2008年 夏マッチング

エントリー実施期間  : 2008年4月〜6月
実習実施期間  : 2008年7月〜9月
学生エントリー数  : 40名
実習参加学生数  : 20名
実現した実習  : 15件(予定されていた実習は20件)
実習例 ☆ベトナム:保健プロジェクト視察(学生2名)
☆ホンジュラス:社会調査実習(学生1名)


 

08年春・夏の報告書をすべてダウンロード(クリックしてください)

 


◆ベトナム:保健プロジェクト視察◆

【基本情報】

参加学生  : 森岡 慎也(富山大学医学部医学科2年)
指導教官・機関  : 秋山 稔先生(ベトナム保健省アドバイザー)
期間  : 2008年 8月11日〜8月20日(10日間)
渡航先  : ベトナム
分野  : ガバナンス・保健医療人材育成
実習形態  : プロジェクト活動視察型

【目的】
 1. ベトナムの医療の特徴・問題点・日本との違いを知る
 2. どのような援助が求められているのか、そしてどのような援助をするべきなのかを学ぶ
 3. 国際医療の分野において活躍しうる人間となるために、今後どのようなことを学んでいけばよいのかを知る

【日程】
日程
 
日時 内容
8/11 ハノイ着。秋山先生と対面。ベトナムにおけるJICAの医療支援プロジェクトについてブリーフィング。国立衛生疫学研究所視察。麻疹ワクチン製造基盤技術移転プロジェクト視察。
8/12 バックマイ病院−救急トレーニング視察。
8/13 バックマイ病院−救急ガイドライン作成会議視察、病棟見学。19:30 ハノイ発。飛行機でフエへ。
8/14 フエ中央病院−中部地域医療サービス向上プロジェクト視察
8/15 午前:フエ市内見学
午後:フエ中央病院病棟見学。フエ市中病院訪問
8/16 午前:フエ発。飛行機でハノイへ。
     午後:ハノイ市内にてJICAホアビンオフィスの國元さん、木下さんと対面。タクシーにてホアビンへ。
8/17 ホアビン市内見学
8/18 午前:ホアビン市内見学
PMU(project managing unit)ミーティング見学ホアビン省病院病棟見学
8/19 午前:ホアビン省病院病棟見学
     午後:ダバック地方病院訪問。ダバック−コミューンヘルスセンター訪問
8/20 午前:ホアビン発、タクシーにてハノイへ。
     午後:秋山先生と報告会。実習終了。

【事前準備】
JICA北陸支部へ申請書を提出。視察するJICAプロジェクトの概要をホームページでチェック(秋山先生より指示)。「地球の歩き方 ベトナム」で旅行上の注意点や文化・歴史の項目に目を通した。同じ実習に参加する学生と連絡を取り合った。

【成果】
積極的に実習に臨むことができ、大変多くのことを学ぶことができた。 国際医療という分野において活躍しうる人材となるために必要なもの、それは私の考えでは、知識・経験・情熱である。まず、活かすための知識と経験がなければ海外はおろか、日本でも活躍し得ない。まず日本において活躍し得る医師となるために日々努力することが、第一に重要である。日本の現場で経験を積み重ねること、その中で日本の医療の長所や短所を理解することも、海外で働く時に活きてくるはずだ。また、医学的な知識だけでなく、様々な人々と連携していくコミュニケーション能力や、問題を提起し解決していくマネージング能力を身につけることも重要である。そして、情熱をもつこと。ベトナムでご活躍されていた日本人の方々は皆、意志が強く、御自分の仕事に対して遣り甲斐と誇りをもった情熱的な方々だった。情熱的な人は、他者を惹きつけてやまない魅力を持っている。そしてその強い意志と行動力は尊敬に値する。魅力もなく尊敬もされないような人物が、海外で指導的立場になれるだろうか。これは国際医療に限ったことではないと思うが。以上を念頭に置き、どんな経験も無駄にしないよう積極的に学んでいくことが、これから自分がしていくべきことだと感じている。
【感想】

今回の実習で、私は初めて海外の医療現場とそこで働く日本人の方々を拝見し、将来自分の道を選択する上でとても良い刺激が得られた。私は、将来絶対に海外で働きたいのでこの実習に参加したというわけではない。もちろん国際医療に対する大きな関心があるが、日本で地域医療に貢献したいという思いもあった。そんな状態で実習に参加したが、今でもまだ迷っている。しかしベトナムでの10日間の実習を終え、海外の医療現場で働くということがどういうことなのか、またそこで活躍するためにはどんなことを身につけなければならないかなど、少なからず具体的に理解できるようになり、国際医療を身近に感じられるようになった。そしてそれによって、自分の視野が広がったと思う。私はまだしばらくは、地域医療か国際医療か迷い続けていくだろうが、それで良いと思っている。というのも、ベトナムの先生方からアドバイスをいただいたのだが、今は一つに道を絞るのではなく、自分の興味の持ったことを積極的に学び、様々なことを吸収していくことが重要なのだ。これから、さらに国際的な医療問題に関心を向けつつ、目の前のこと、興味を持ったことに全力を尽くして行きたい。



【実習について一言】
本企画をご用意くださったjaif-sマッチング部門の方々と、お世話になった先生方に、心から感謝しています。みなさんの優しさや熱意のおかげで、本当にすばらしい体験をすることができました。


◆ホンジュラス:社会調査実習◆

【基本情報】

参加学生  : 長谷川陽一(高知大学医学部医学科4年)
指導教官・機関  : 仲佐 保先生(国立国際医療センター)
期間  : 2007年8月9日〜15日(7日間)
渡航先  : ホンジュラス
分野  : 疫学調査
実習形態  : 調査型
実習内容  : 先生から社会調査に関する講義を受け、開発援助などに有効ないくつかの社会調査方法を学ぶ。そのうえで、先生と相談の上、自分でテーマを選び、調査票を作成。現地でプレテストを行った上、調査を実施する。

【目的】
1)社会調査の手法を学び経験する
2)現地の生活習慣及び、生活習慣病対策に関する地域の保健政策や学校での取り組みを知る
3)有益なデータを得られるよう努力し、生活習慣病予防の対策に役立ててもらう




【日程】
日程
 
日時 内容
8/9 ホンジュラス到着、首都テグシガルパにて仲佐先生及び現地コーディネーターと合流
8/11 オランチョ県に移動
8/12 午前・午後:調査を50人に対して行う
8/13 午前:オランチョ県内の地方の村に行き、調査(10人)
午後:データをexcelに入力・統計ソフトを用いて解析
8/14 午前:プレゼンテーション作成
午後:保健局職員に対してプレゼン。テグシガルパへ移動し、その後観光。

【事前準備】
まず、一昨年度同じ実習に参加した友人から、彼が発表したパワーポイントなどのデータをもらい、話を聞きました。
「調査テーマを何にしようかな〜」と医中誌やPub Medで文献検索したり、WHO Reportを読んだりした。肥満に関するWHO Global ReportをHP上で読み, その時にホンジュラスの成人の肥満率が高いことを知り、将来の肥満予備軍(生活習慣病予備軍)である小学生高学年に対しての調査をすることに決めました。

大学の公衆衛生学教室の教員の専門領域がヘルスプロモーションであったので、何度か教室に足を運び、相談に乗ってもらったりしていました。
その時に、ホンジュラスでコンサルティング会社の人でプロジェクトを紹介していただきました。その後、仲佐先生に質問票を提出し、
コメントをいただきながら、とりあえず質問票を作成して、若干の不安と「どうにかなるや」といった気持が入り混じりながら、
成田を出発しました。スペイン語に関しては、日本では特に準備をせず、
グアテマラに入ってから、「指さし会話帳」を使いながら現地で少しずつ習得するようにしました。

【成果】
「調査って実際どんなんやろ〜」って参加する前に思っていたのが、調査を終えて帰ってきた今、「簡単なアンケート調査ならおれでもできるぜ!」と思ってしまうぐらい(⇒これは勘違い)大変勉強になりました! というのも、アンケート調査を行って終わりではなく、まず初めに質問票の作成からはじまり、そのデータの解析方法の基本を仲佐先生直々に教えて頂けたからです。
このことによって、参加者自身が主体的に調査の一通りのプロセスを経験することができました。また、今回の自分の調査では、アンケート調査を行うだけでなく、小児肥満にかかわる保健局職員と学校教師の二つのアクターに対してインタビューを行い、ホンジュラスの肥満に対する取り組みを知ることができたのは、有意義でした。また、その調査結果を英語でまとめ上げ、プレゼンテーションすることも貴重な体験でした。

【感想】
 調査自体の結果としては、BMIが25以上の肥満傾向のある子供は全体の10%程度であり、逆にBMI18以下の痩せ傾向を持つ子供たちが40%以上を占めており、肥満の問題というよりは依然として栄養失調の問題が大きいことが推測されます。そのため腹囲の調査もしましたが、そのデータを肥満によるものなのか、クワシオルコルなどの栄養失調によるものなのかは、今回の調査からは読み取れず、調査の準備段階での不備を思い知らされました。ただ、栄養失調と肥満の問題が交錯する地域とはいえ、スナック菓子を一人当たり平均1.8個、清涼飲料水を1.45本摂取しているという子供の生活習慣は注目すべき点だと思われます。
データを解析する際に、そのスナック菓子とBMIとの相関関係は今回の調査では見られなかったため、肥満の改善のためにスナック菓子の摂取などの生活習慣を是正するべきという論理にはならないですが、調査期間が2日でサンプル数がわずか60であったことから、結論付けることはできず、より多くのサンプル数をとり再調査する必要性を感じました。
また、オランチョ県保健局に勤めている公衆衛生・疫学専門家に、オランチョ県での生活習慣病に対する取り組みについて質問したところ、肥満の人の割合の高さや低栄養高脂肪食の食事などについては認識しているものの実際の調査はほとんど行われていなく、手が回らない状態であるとお聞きしました。調査をする中で、質問票の不備があったり、事前の自分の準備の甘さなどを痛感させられました。「計画書がつくられた段階で、調査がどうなるかはほとんど決まっている、つまり準備の時に何を考え、何を盛り込むかが一番大事である。」と述べられた先生の話は、その通りだと今になって思います。
話は変わりますが、朝の10時頃に休み時間があり、その時間に多くの小学生はメリエンダ(軽食)を食べます。これまで個々人で自分のお小遣いで学校の売店でメリエンダを買っていたのが、これからは、ホンジュラスの文部省の資金援助により、学校でメリエンダを準備して小学生に配布することで、学校に来てもらおうという取り組みを進めているようです。その背景に何があるかというと、ミレニアム開発目標のGoal2。それは、「2015年までに、全ての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする」というもので、世界全体のMDGsへの取り組みの中でホンジュラス政府もその目標に向けて取り組んでいることを実感しました。
このように、やはり現地に行って話を聞いたり、活動してみないとわからないことは多くあると思います。そういった意味でも、学生にそのような機会を提供してくれるマッチング企画は本当に貴重だと思います。スタディーツアーからもう一歩踏み込んだ主体的な経験を積みたいと考えている方には、このホンジュラスでの社会調査実習は自信を持ってお勧めできます!ぜひ応募してみてください。




【実習を終えて/今後の課題】
町を歩けば、いろんな人が話かけてきて、流暢なスペイン語で冗談を飛ばしあい、ビールを飲んで、爆笑させている仲佐先生の姿から、「国際保健ってやっぱり楽しいものなんだ!」と教えていただきました。JICAのプロジェクトでいらっしゃっていた専門家の方々とお話しできたことも貴重な機会でした。「3年とか5年とかでは本当は何も変えられないんだ、何かを本当に変えようと思ったら、20年はそれに取り組まなければならない」と語ってくださった言葉には、国際保健の本質が集約されているような気がします。

最後に、今回の調査では仲佐先生と現地コーディネーターが調査のためのセッティング(インタビューアー・翻訳者の手配など)をすべてしてくださり、参加者の希望に可能な限り配慮くださったおかげで、考えていた通りの調査を実行することができました。ここで改めて、仲佐先生・マッチング事務局の方々・現地コーディネーターであるLuis Carlosをはじめ現地の関係者の方々に感謝を申し上げたいと思います。Mucho Gracias!

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