日本国際保健医療学会 学生部会
SmartClient is developed by The SmartFactory (http://www.smartfactory.ca), a division of InBox Solutions (http://www.inboxsolutions.net)
三砂 ちづる 先生 三砂 ちづる 先生
・ご所属 
津田塾大学 国際関係学科

・ご専門分野
疫学、母子保健、国際保健

・ご経歴
母性保健を専門とする疫学者、作家。津田塾大学教授。1958年山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。1981年京都薬科大学卒業、薬剤師として働く傍ら、神戸大学経済学部(第二課程)、琉球大学保健学研究科修士課程卒業。1999年ロンドン大学にて疫学のPhD。ロンドン大学衛生熱帯医学院(London School of Hygiene and Tropical Medicine) リサーチ・フェロー、JICA(国際協力事業団ー当時)の疫学専門家として約15年間、疫学研究を続けながら国際協力活動に携わる。ブラジル北東部セアラ州に約10年在住。2001年1月から国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)疫学部に勤務。2004年3月まで応用疫学室長。2004年4月、津田塾大学国際関係学科に教授として就任、学科横断の多文化国際協力コースを担当。

・現在のお仕事でやりがいを感じるのはどんなときですか。
 夜明け前、淡々と原稿を書いていて、時代をこえて人間はかわらずこうやって語り、書いてきたんだ、とおもうとき、その無数の人たちの作ってきた歴史に自分もつながることができる、と感じて、身震いがする。
 「やりがい」といわれると、なんにでも感じる。公私とわず。入試問題作成でも、家のゴミ出しでも、介護でも育児でも。もちろんよその国で仕事をさせてもらったり、教育という愛すべき仕事をしていると、なおさら。やるべきことあるって幸せだ。

・学生時代をどのようにすごされましたか。
 薬大時代は軟式テニスに入れこみすぎ、他は何もやらなかった。小さい大会とはいえ、薬連という薬学部の大会で団体優勝し、全国医歯薬でタイトルをとったことは、所詮恥ずかしいことばかりやっているわたしの数少ない“自慢できること”かもしれない。しかし、テニスウエアに白衣をひっかけて実習をしているような日々で、かっこいい先輩から「ああいうことをやるのは見ているほうが恥ずかしい」といわれたような学生生活がまともなものであった、とは言えまい。
 4年生になって引退した後、テニス以外何もしてこなかった自らの学生生活に呆れたため、卒業後、昼間は薬剤師をして、夜は経済学部で学びなおすことにした。結果として、薬剤師としてはただの落ちこぼれとなった。

・国際保健分野を志したきっかけはなんですか。
 幼い頃に読んだシュバイツアーの伝記に影響されなかった、とはいえない。始まりというのはそういうものだ。アフリカの飢餓が気になる大学時代だった。大学に大沢基という井上清の弟子の歴史の先生がいて、テニス部引退後に彼の部屋に通い詰めてフレイレやイリイチを読んだこと、ケニア山のふもとマウマウの乱があったところにつれてもらったこと、アフリカ行動委員会につなげてもらったこと、などから、こういった分野の手触りを感じるようになった。
 「これ(国際保健)で食べていける」と思うようになったのは、ロンドン大学熱帯衛生医学校のスタッフをやってから。敏腕の生物統計学者Professor Betty KirkwoodひきいるMCEU(Maternal and Child Epidemiology Unit:当時。いまはもうない)でリサーチフェローを約十年、給料をもらって鍛えてもらった。自分をEpidemiologisut(疫学者)と自称して恥ずかしくなくなったのも、イギリスODA(いまのDFID)でPI(主任研究者)として大きなリサーチプロジェクトをふたつ、8年間やってからである。

・学生へひとことメッセージ
 自分自身に嘘をついてはいけない。「カラマーゾフの兄弟」でゾシマ長老がアリョーシャに与えた忠告。ハンナ・アーレントが座右の銘にしていた、と聞く。
 とにかく、自分の言葉で語るように。かりものの「プラスチックワード」(セクション7をごらんください)で語ったり報告書をつくったりしていると、国際保健のしごとを惰性でやるようになったあげく、体調を崩す元ともなる可能性もないとはいえないため、注意が必要だと思う。そうならないように何をすれば良いか、学生時代に考えはじめてほしい。わたしもまだ考えている。

・ご著書等
<著書>
『昔の女性はできていた』宝島社、2004年 (のち文庫:宝島社、2008年)
『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』光文社新書、2004年 
『疫学への招待―周産期を例として』医学書院、2005年 
『コミットメントの力 人と人がかかわるとき』 NTT出版、2007年
『月の小屋』毎日新聞社、2008年
『きものとからだ』バジリコ、2008年
『タッチハンガー』マガジンハウス、2009年(『抱きしめられたかったあなたへ』として文庫化:講談社α文庫、2013年)
『産みたい人はあたためて』飛鳥新社、2009年
『不完全燃焼、ベビーバギー、そして暴力の萌芽について』毎日新聞社 2009年
『不機嫌な夫婦』朝日新書、朝日新聞社 2012年

<共著>
『女は毎月生まれかわる―からだと心が元気になる「月経血コントロール」ゆる体操』 高岡英夫共著、ビジネス社 2004年
『生きがいの女性論 - 人生に満たされていないあなたへ』飯田史彦共著、PHP研究所、2006年
『だきしめてスローラブ ゆるやかにしなやかに男と女の性と愛』 辻信一共著、集英社 2006年
『身体知 身体が教えてくれること』内田樹共著、バジリコ 2006年 (のち文庫化:講談社+α文庫、2010年)
『歴史と記憶 場所・身体・時間』赤坂憲雄、玉野井麻利子共著、藤原書店 2008年
『女子学生、 渡辺京二に会いに行く』渡辺京二、津田塾大学三砂ちづるゼミ、亜紀書房2011年
『女子の遺伝子』よしもとばなな共著、亜紀書房 2013年

<編著>
『赤ちゃんにおむつはいらない ―失われた育児技法を求めて』(編著)勁草書房 2009年

<訳書>
『パワー・オブ・タッチ』Phyllis K. Danis メディカ出版、2003 
『わたしにふれてください』Phyllis K.Davis 葉祥明絵 大和出版、2004 
『新訳被抑圧者の教育学』パウロ・フレイレ 亜紀書房 2011.


・おすすめの本
渡辺京二 「逝きし世の面影」平凡社ライブラリー 2005年: 明治のはじめ、開国した日本を西洋人がどのようにみていたか、という記録を丹念に読み込みながら、揺るぎのない美しい文体で綴った本。現在、発展途上国に出かけるすべての人に読んでほしいし、また海外に出るときに携えていてほしいと願うような本である。

ウヴェ・ペルクゼン著 糟谷啓介訳「プラスチック・ワード −歴史を喪失したことばの蔓延ー」藤原書店 2007年: 多くの国際機関の報告書はこのようにして書かれているからつまらないのだ、と理解が深まる一冊。書くことがないときには、プラスチックワードをつなげると報告書になるらしいが、良い子の皆さんは真似てはいけない。

写真:鈴木俊介氏撮影

 
Statistics
This page has been seen 1789 times
This client's website has been visited 0 times

HP移転のお知らせ
jaih-sのウェブサイトは
下記URLに移転しました。
お気に入りや、ブックマ
ークに登録されている方
は、お手数ではございま
すが、変更をお願いいた
します。
http://jaih-s.org/
jaih-s
国際保健とは
twitter
書籍の購入
amazon.co.jp
ログイン
ユーザ名:

パスワード:


パスワード紛失